“終のすみか”について考える ドイツの家考−1a2022年08月23日 05:41

ここで、私がドイツ赴任期間(4年間)に過ごした部屋を「快適住宅とは?」という目線で紹介し、“ドイツの家”の特徴を確認してみます。

先ず、最初の一年間を過ごした住処です。
場所は旧西ドイツの元首都であったボンの西の郊外、ドランスドルフという地区でした。
ボン市内地下鉄に直接乗り入れているケルンと通ずるLRT2路線とアイフェル地方とを結ぶDB路線に挟まれており、私の住処からは徒歩5分+α程度でLRT2路線の駅がある便利な郊外でした。
“ドルフ”とは「村」の意味で、ここドランスドルフはボン城を守るようにように“騎士”の館を中心として形成した集落のようです。
大きなスーパーマーケットやドラッグストアなどは徒歩5分圏内、通勤時乗り降りするバス停横にもスーパーマーケットがあったので、帰宅帰りに買い物もできて郊外とはいえ非常に便利なところでした。
もちろん、LRTで気軽にボン市内中心部に出かけやすく、帰りやすいという立地でした。
通勤パスでバスはもちろんLRTや地下鉄も乗り放題でしたしね(^_^)

私の住処は個人宅の二階貸し切りです。
外観はドイツの郊外でよく見かけるシンプルな切妻で、半地下1階、地上2階の家です。
この辺りは戦後開発された住宅地で、築50〜60年ほどだったでしょうか。
一階正面中央の玄関は家主さんの玄関で、私の二階の部屋にはこの玄関右横にある専用ドアから出入りするので大家さんの生活圏とは切り離されています。
ここで見て欲しいのは二階の窓です・・・外出する場合は窓を閉め切って窓シャッターを下ろしています。
日中の防犯はもちろんですが、先にも書いたように夏場は窓全閉+窓シャッター全閉によって昼間の室内温度上昇を極力抑えるようにしていました。
全ての窓にはこのようなシャッターが付いており、遮光カーテン変わりとしても利用できます
ちなみに、部屋の窓にはレースのカーテンしか付いておらず、夜になると最初は窓シャッターを遮光カーテンとして利用していましたが、よくよく見ると郊外の家は夜になっても厚手のカーテンや窓シャッターを降ろしていない事が分かりました。
つまり、家の中がレースのカーテン越しにぼんやり見える程度はドイツの皆さんあまり気にしないのです!
もっとも庭や生け垣などがあり通路との距離があることや、他人の家の中をのぞき込もうとするような人もいませんしね。
この辺りは小さい時からのプライベート保護やマナー教育も小さい時からしっかり行われているようですから。
個人情報保護には非常に厳しいお国柄ですから。

さて、玄関はここです。
普通のガラス窓に見えますが、結構分厚いガラスの二重ガラスでそう簡単にはぶち破れそうにないドアです。
その分かなり重いドアで、重厚感たっぷりでした。
中に入ると直ぐに二階に直結する階段があります。
夏はこのドアから中に入ると直ぐ涼しく、冬は暖かという私にとってはホッとする出入り口でした(^_^)

階段を上がってドアを開けると8畳ぐらいのダイニング兼用の空間が広がっています。
この空間から各部屋にアクセスでき、奥右側がリビング、左側が寝室、右横が書斎、左横がキッチン、左手前横がトイレ・洗面・バスとなっています。
左側手前に写っている赤っぽいクロスがかかっているテーブルは食事の際に使っていました。
左下壁に小さく見えるのはWi-Fi中継器です。

写ってはいませんが、天井には引き下ろしタイプの階段があり、大家さんからは「屋根裏のスペースも荷物置きに使って良いよ」と言われていました。
屋根裏を使うほど荷物がないので使いもしませんでしたが、ある時気になって階段を引き下ろし屋根裏を覗いてみました・・・
そこで見た光景に驚きました!
確かに荷物を置くスペースがありましたが、屋根裏に広がっていたのは分厚い発泡スチロールと思われる断熱材が隙間なく天井にびっしりと敷き詰められている光景だったのです!
その断熱材の厚さはゆうに30cmほどあったでしょうか・・・
おおぉぉぉ!これが噂に聞いていた屋根裏の断熱か!と驚いて見ていました。
屋根からの熱や冷気を天井でシャットアウトしているんですね!

後ほど各部屋の様子も紹介しますが、実はこの屋根裏で見たような分厚い断熱材が壁にも入っているようで、日本の我が家とは外壁の厚さに雲泥の違いがあることも分かりました。

この分厚い断熱層がドイツの家では当たり前のようになっている、いや多分そういった規格や法的規制があるものと推定されました。

つづいて各部屋の様子を紹介します・・・

つづく

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