“終のすみか”について考える2022年08月21日 05:46

さて、昨年秋に4年間のドイツ赴任も終え日本に帰任、そしてこの春から第一線を退き、今は週に数日アドバイザーとして気軽に会社に出ています。
年齢も68歳になりました。
これまでのストレスからも解放され、後はノンビリ年金生活かとホッとしているところですが、一方で帰国してから大きな課題に悩んでいます。
それは“終のすみか”をどうするか?です。

現在住んでいる家は両親が残してくれた小さな持ち家で、築70年になろうかとしている古い家。
場所は田舎ですが、長年住み慣れたこともあり老後を過ごすには環境的にそこそこ良いとは思っています。
直ぐ近くには県が定めた県定公園が広がっており、川、里山、山の優れた景観に気軽に接する事が出来るし、何よりいくつかの温泉を気軽に楽しむことも出来るのが良いですね。
が、冬はさすがに雪が多く寒さも厳しいのと、大きな川の扇状地の扇頂(川が山間から出てくる出口)から吹き下ろす強い季節風(時には台風並みの風が吹く)が一番の難点です・・・(T_T)
また、1km圏内にスパーマーケットやコンビニ、ホームセンター、診療所、銀行など基本的な生活要件は整っていはいますが、都会のような便利さはありません・・・(^_^;
何よりも古い家が「夏暑くて冬寒い」典型的な古い日本家屋という住環境が最悪であることです。

ドイツに赴任する前はこんな環境であっても長年住み慣れたことから「こんなもの」と思っていましたが、ドイツ赴任中に住んでいた“ドイツの家”との大きな違いに驚きました。
“日本の家”とはダントツの断熱・気密の違いです。
気候の違いを差し引いて考えても、家の中は外界とは全く異なる住みよさなのです。
床、壁、天井には分厚い断熱材が入り、窓は木枠で2重か3重ガラスで窓を閉めればタイト材でビシッと隙間なく閉まる
今では日本でも普及しつつありますが、まるで魔法瓶のような家づくりなのです!

このようなドイツで見かける木組みの家、多分築数百年は経っていると思われますが、ほぼ外観を残したまま中はリノベーションしてガチガチの魔法瓶の家になっています
一方、このような家もドイツの郊外や田舎ではよく見かけますが、家を大事に住み継ぐことから現代生活に支障のないように内部はきっちりリノベーションしてあり、冬はばっちり暖かい魔法瓶の家になっているのです
ましてや都市部のこのような古い街並みの家々も外観とは裏腹にしっかりとした断熱構造をもち、非常に住みやすくなっています

ただ、快適に住むにはちょっとしたコツがあるのです。

例えば夏・・・
私が赴任していた2018年から2021年にかけて、ドイツでも最高気温40℃という酷暑を数度経験しているくらい結構異常気象が続いていました(^_^;
ドイツでもそんな酷暑が増えつつある中、ご存じの方は余りいないと思いますが一般的な家にはエアコンがありません・・・(^_^;
日本式に窓を開け放し風を取り込んで涼もうとしましたが、ドイツ人の同僚にしっかりアドバイスというより指導されました・・・つまり、
ドイツ式の家での夏の過ごし方は・・・
 ①朝、気温が低い時に窓を全開して冷気を家の中に取り込む
 ②朝、陽が家の中に入り込み、気温が上がり始めたら窓を全て綴じ、可能な限りカーテンや窓シャッターを閉めて太陽光が家の中に入らないようにする。
 ③夜、外の気温が過ごしやすい温度に下がったら窓を開ける
です。
これを現地の方々は「夏のアナグマ生活」と笑いながら説明してくれました(^_^)
実際にそれを実践し、出社前に①②を実行し、室内温度22〜24℃位にして夕方帰宅すると・・・外が35℃を越えていても(ドイツの夏は日が長く最高気温が16時頃)室内は26〜28℃位なのです!
いやはや、家の保温性には驚かされたものでした!

今の我が家では家を閉め切って夕方家に戻ると・・・熱がこもって地獄です(^_^;

例えば冬・・・
これは説明するまでもありませんが、ドイツの家は全室パネルヒーターが備わっておりどの部屋もポカポカ24℃位で快適です。
後ほど紹介しますが、最初に住んだ家はスチームボイラーの蒸気が全室窓際下に設置されたパネルヒーターに廻り、足下からポカポカでしたし、二度目に住んだ家は電気式の床暖&壁暖で、玄関を入ると別世界の暖かさが広がっていました。
もっとも、省エネだと思って出勤時に暖房を切り、帰ってから入れるようにしていたところ、大家さんからヒーターは24時間入れっぱなしにしておくように言われました。
その方が家の中の熱バランスも良く、エネルギーロスにならないとか・・・
お陰で超快適な冬の生活でした。

ところが、今住んでいる我が屋は結露する単板ガラス窓が冷たく、部屋の仕切りは障子戸や襖で隙間風ス〜ス〜・・・中には畳の隙間からも隙間風・・・(^_^;
そんなところでエアコンやストーブを焚いても決して“省エネ”とは言えない状態ですし、何よりも窓の結露、寒い部屋での湿気増加で悩まされ、特に冬場のトイレや風呂場でのヒートショックにブルブル震えているのが実態です。
残り少ない人生、こんな生活は正直もう続けられません!

そこで、この現実からの脱却大作戦を考え始めた訳けなのです・・・

イントロが長くなりましたが、現在進行形の我が家の現状脱出計画を時々UPしていこうと思っています・・・

つづく・・・