PLATINUMの実用万年筆と言えば・・・#3776CENTURY(センチュリー)2022年05月14日 13:24

さぁ~て、タイトルに使った「〇〇の△△と言えば・・・□□」というフレーズ、これはそのメーカーを代表する商品を示す時によく使われたりしますが、“国産万年筆メーカー御三家の代表的実用万年筆と言えば・・・”でよく挙げられ、比較されるのが次の3シリーズだと言われます。

PILOT    COSTUM74
PLATINUM #3776CENTURY
SAILOR   PROFIT STANDARD

ドイツで日本の万年筆をネットでいろいろ調べていると必ず出てくるのはこの3シリーズで、帰国したら是非手にしてみたいと常々思っていました。
どのモデルも値段が1万円台であり、背伸びする必要がないのが良いですしね(^.^)

PILOTについてはこれまで紹介してきたように、ベスト型のCOSTUM HERITAGE91を手に入れ、COSTUM74は遅れてNib,ペン先が<MS(ミュージック)>という特殊ペン先を手に入れました。
ただ、COSTUM HERITAGE91は軸こそ違えNib,ペン先はCOSTUM74と同じであり(コーティングは違いますが)、書き味、書き心地は同じだろうと思っています。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介するのは“PLATINUMの実用万年筆と言えば・・・”の#3776CENTURY(センチュリー)です。
PLATINUMもPILOT同様にこれにこだわらずあれこれ試してみましたが、素直に#3776CENTURYに落ち着きました(^.^)
ただ、#3776CENTURYとはいってもHPを見るとわかりますが、このシリーズも長い歴史をたどって展開されてきただけあって、下は税抜1.5万円から上は10倍の価格15万円の漆塗高級品まで様々なモデルが展開されています。
これがベーシックな#3776CENTURYのラインナップで、税抜1.5万円です。
非常にオーソドックスなバランス型で美しさを感じます。

この#3776CENTURYシリーズ、軸の材質や模様など様々に展開されており、例えば美しい模様のセルロイド軸のモデルなんかもあります。
これは魅力的ですよね(^_-)
税抜3.5万円です。

一方で最も高価な#3776CENTURYは・・・これです。
高級加賀蒔絵 「香苑」作 『紅葉』 で、税抜15万円です(^^;
軸、キャップに伝統的な蒔絵が施され高級感を醸し出していますね。
Nib,ペン先は一般的な#3776CENTURYの14Kから18Kへとグレードアップしていますが、形状等は変わらないようです。

そんな様々なラインナップ展開の中で私が先ず手に入れたのがベーシックモデルの仏壇カラー、「ブラック イン ブラック」です。
いいですねぇ~♪
昔からの万年筆の印象、ザ・万年筆!という外観と質感です(^.^)

少し外観の特徴を見てみましょう。
これ単体で見ると分かりずらいので、比較として先に紹介したPILOT CUSTOM74と並べ比べてみました。
先ずはキャップを閉めた外観です。
上がPLATINUM #3776CENTURY
下がPILOT CUSTOM74

一目で分かるのがクリップ形状と太さの違いです。
クリップは特徴的なCUSTOM74に比べて#3776CENTURYは余り特徴もない平べったい形状で、メーカー名の刻印もありません。
胸のポケットにさしている時に「PLATINUM」というのも分かりませんね(^^;
オーソドックスで目立たない・・・ま、これもいいのかもしれませんが。

次に太さの違いです。
並べると分かるのですが、サイズを調べると・・・

#3776CENTURY・・・全長 139.5mm 最大径 15.4mm
CUSTOM74 ・・・・・全長 143.0mm 最大径 14.7mm

と、最大径で0.7mm程太いようですが、数値で見る以上に太く見えますね。
キャップのリングの幅が広いことや長さも3.5mm短いことも影響しているでしょう。

そのキャップリングですが、拡大して見ると・・・
表には「#3776CENTURY」と浮き上がるようにしっかりとエッチング処理してあり、裏側には「P PLATINUM MADE IN JAPAN]と刻印がぐるっとはいって高級感を醸し出しています。

さて、キャップを外すと両者の違いでもう一つ大きなポイントがあります・・・
Nib,ペン先です。
ご覧のように#3776CENTURYのNib,ペン先の大きさがCUSTOM74と並べると際立って大きいのが良く分かると思います。
両方とも富士山を連想させる模様が入っていますが、#3776CENTURYは大きい分だけ平ぺったく見えますね。
#3776CENTURYのNib,ペン先に注目すると・・・
ハート型のハート穴の下に大きな二重文字で「#3776」「P」と刻印され、その下に「14K」「M」「585」と重ねて刻印されています。
製品名の「#3776」はご存知のように富士山の標高を示しており、“日本一の万年筆”という思いを示していることはご存知かと思います。
この大きなNib,ペン先はなかなかの迫力で、“万年筆で書いている”という実感と満足感を与えてくれますね(^.^)

さて、肝心要の書き味・書き心地ですが・・・
ネット上で見かけるプレビューは沢山あり、もしこの万年筆に興味のある方は是非ググってみてください。
かなり参考になると思います。
ここでは簡単に私見を述べておきたいと思います。

ネット上での#3776CENTURYの書き味・書き心地のキーワードとしては次の2点が挙げられています。
 ①硬め
 ②インクフロー渋め

①について、あの大きな平たいNib,ペン先だったら柔らかめだろうと思っていましたが、しなりはあるものの、予想外にしっかり固めてあるといった感じです。
私のような筆圧が高めの人には合うと思います。
硬い鉄ペン好きな私はこの硬さは好きですね(^.^)

②については実は私はそう感じていません。
インクフローは潤沢とは言いませんが、インクもしっかり供給され、そのおかげもあり硬いNib,ペン先にもかかわらずサラサラ系で心地よい紙の抵抗感を感じながら書けると思います。
線幅が<M>だからかもしれませんが・・・
この書き味・書き心地については、後日紹介するもう一本の#3776CENTURY<F>とも比べて再度報告したいと思います。

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