変わり種ペン先 PILOT CUSTOM74<MS(ミュージック)>2022年05月07日 07:26

国産の本格派万年筆(定義が曖昧ですが、ここでは金ペンとしておきます)に手を出し始めてから国産御三家と言われるPILOT、PLATINUM、SAILORの製品を物色してきました。
が、やはり各メーカーの代表的な万年筆が気になりますね。
中でも、PILOTというと豊富なモデル展開をしている“カスタム”シリーズに特に物欲がかきたれられます(^^;
“カスタム”シリーズは1971年に「CUSTOM Kシリーズ」が最初に発売され、まさに名の通り「使う人の注文に応える」という使う人の様々な「書く」に応えるために、進化し続けてきたシリーズということになります。

調べてみると、現在この“カスタム”シリーズは大きく分けて4つに分類されているようです。

1.シリーズ最高峰 黒く艶やかな漆仕上げ
   カスタム URUSHI / カスタム845
   税別5~9万円ほど・・・
2.豊富なペン種から選べるスタンダードモデル
   カスタム743 /カスタム742 /カスタム74
   税別1.2~3万円ほど・・・
3.世代を超えたシンプルデザイン HERITAGEシリーズ
   ヘリテイジSE / ヘリテイジ912 / ヘリテイジ91 / ヘリテイジ92 / ヘリテイジCR
   税別1.2~3万円ほど・・・
4.素材・デザイン・機能が魅力 その他のカスタムシリーズ
   カスタム823 / カスタム槐〈えんじゅ〉 / カスタムカエデ / カスタムNS
   税別1~5万円ほど・・・
  
この中では先に紹介した比較的入手しやすい価格のCUSTOM HERITAGE91を先に手に入れて満足していましたが、やはり本流のバランス型「豊富なペン種から選べるスタンダードモデル」が次に気になります(^^ゞ
しかも、仏壇カラーです(^.^)
一方で、この「スタンダードモデル」は“豊富なペン種から選べる”というのが非常に興味をそそります(^_-)
そのペン種(Nib,ペン先の種類)は次のごとく豊富です!
全部で15種類!
通常の線幅による<EF>とか<F>、<FM>、<M>、<B>、<BB>は理解できるのですが、興味を引くのが<SF>、<SFM>、<SM>といった“S”が付いたソフト系、そしてなんといってもYouTubeで話題になった<FA(フォルカン)>や<WA(ウェーバリー)>、<MS(ミュージック)>といった特殊ペン先です。
いろいろ下調べをしましたが、ソフト系や<FA(フォルカン)>といったしなり系は筆圧が高い私には使いこなせないようで断念です。
一方で、<WA(ウェーバリー)>、<MS(ミュージック)>が面白そうです・・・

さて、もしこのような特殊ペン先を試すのであれば、“カスタム”シリーズの高額モデルは万が一使いこなせなかった場合のリスクがあります。
で、選んだのがスタンダードモデルの中でもお安いCUSTOM74です。
両端が丸いバランス型で、税抜価格が12,000円です。
カラーは・・・やはり基本の仏壇カラー黒金でしょう(^_-)

さて、肝心のペン種(Nib,ペン先の種類)ですが、これだけはネットで決められないと思い、実店舗で試し書きして決めようと思いました。

その結果、決めたのが<MS(ミュージック)>です(^^;

既に類似のカリグラフィーペンLAMY Joyを持っていたのですが、金ペンで同類のような使い方ができることもあり、店頭で試し書きをしたうえで決めました♪

ちなみに・・・特殊ペンの内<C>と<MS>は価格が+2,000円高くなるのとカラーは黒のみになります(^^;


CUSTOM74 ミュージック、です。
PILOTのバランス型「CUSTOM」の特徴であるクリップ先の“球”、ついに手に入れました(^.^)

さて、ここで先に紹介した“カスタム”シリーズの内のもう一つHERITAGEシリーズのCUSTOM HERITAGE91と並べてみます。


こうしてみると、CUSTOM74とCUSTOM HERITAGE91は同じ価格帯であることから仕様はほぼ同じですが、バランス型とベスト型の違いでの全長とクリップ形状が異なるだけのようです。
ちなみに、CUSTOM74には金物がゴールドとシルバーがありますが、CUSTOM HERITAGE91はシルバーだけです。

バランス型の“カスタム”シリーズの特徴は先にも書きましたがクリップ先の“球”です。
クリップ廻りを見てみましょう・・・
クリップに「PILOT」の刻印、先にまん丸い“球”。
特徴的ですね(^.^)
キャップリング中央には「CUSTOM74」と刻印されています。
真横からみてもクリップ先端は真ん丸の“球”であることが分かりますが、この“球”については好き嫌いがあるようです。
私はPILOTの万年筆!という主張があって好きな方です♪

さて、次にNib,ペン先と首軸を見てみましょう・・・
先にも書きましたが、今回のCUSTOM74は先に紹介したCUSTOM HERITAGE91とバランス型とベスト型の違いはあるものの、基本的な仕様はほぼ同じです。
故に、首軸からNib,ペン先にかけても同じ仕様で、たぶんキャップも互換性があると思います(やっていないので分かりませんが、寸法的にOKですね)。
Nib,ペン先は14K 5号 でゴールド色で、模様や「PILOT」「14K-585」「5」との刻印はCUSTOM HERITAGE91と全く同じです。
違うのはペン種「<MS>」の刻印です。
首軸とのつなぎ目左側の刻印が「912」と読めるので刻印が入っているので製造年2012年の9月だと思われます。
そう売れるペン種ではないので、長らく在庫されていたものと思われますね(^^;

さて、そのNib,ペン先ですが、更に拡大すると通常のものと大きく違うことが分かります。
Nib,ペン先にスリット「切り割」が2本見えると思います。
ハート穴もありません。
そしてペン先のポイントが大きく平坦に磨いてあるのも特徴です。
このNib、<MS(ミュージック)>ということから、音符を書くためのペン先だと思われがちですが、確かに♬を書くために細い太い線をかき分ける構造となっています。
横に引くと細く、縦に引くと太くなる・・・実はこれって以前に紹介したカリグラフィーペンとほぼ同じような機能です。
そこで、通常のNib<FM>のCUSTOM HERITAGE91と今回の<MS(ミュージック)>CUSTOM74、それとカリグラフィーペン<1.1>のLAMY Joyで書き比べてみました。
どうです?
イメージが分かったかと思います。
ともかくも<MS(ミュージック)>はカリグラフィーペン的な要素が強く、かつ極太文字が書けるペンだということが言えると思います。
14Kであることも含めてしなりのあるNib、ペン先は面白みのある使い勝手かと思います。
ただ、線が思ったように引けるポジション(ペン角度等)にあまり融通性がなく、使いこなすには練習が必要なようです。
これからどう利用していくか・・・楽しみながら使っていきたい万年筆です(^.^)

最後に・・・このNib,ペン先、流石に文字が太いのでインクの消費がめちゃ多いです。
コンバーターを使ってのボトルインク利用がコスト的に良いと思いますね。

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