独特の筆記感 SAILOR PROFESSINAL GEAR<standard> (プロフェッショナルギア<スタンダード>)2022年05月18日 06:06

さて、国産万年筆御三家の最後はSAILOR(セーラー)です。
これまで紹介してきたPILOTのCOSTUM74(カスタム74)やPLATINUMの#3776CENTURY(#3776センチュリー)と比較されるSAILORの万年筆としてはPROFIT STANDARD(プロフィット スタンダード)となるわけですが、店頭で試し書きをしながら先ず行き着いたのは・・・これ!
PROFESSINAL GEAR<standard> (プロフェッショナルギア<スタンダード>)でした!♪
両端を削ぎ落したようなベスト型で、黒金の仏壇カラーの大型万年筆です♪

本来ならCOSTUM74や#3776CENTURYと同格であるPROFIT STANDARDから選ぼうと思っていたのですが、店頭で実物に触れて魅せられてしまい、しかも、下調べもしないまま店頭で感ずるままに手に入れてしまったのです(^^;
ちなみに、このベスト型のPROFESSINAL GEARには様々なモデルが展開されており、KOP、standard、slim、mini、slim miniの5種類がありました。
現在は、miniがカタログ落ちしており、新しいモデルも出てきているようですが、基本形状はmini以外の4種類で展開されている模様です。
基本スペックと価格(税抜)は以下の通りです。

KOP    Φ20×142㎜     21K超大型 \66,000
standard Φ18×129㎜   21K大型  \25,000
slim    Φ17×124mm  14K中型   \13,000
slim mini Φ17×103mm  14K中型   \13,000

KOPはKing of Penの略だそうで、長さは普通ですがともかく太くて巨大なNib,ペン先が付いている高級品です。
standard以下になると一気に手の届く価格帯になり、COSTUM74や#3776CENTURYと価格的に、また14KNib,ペン先という面で同格なのはslimであることが分かりますね。
しかし、この時様々な魅惑の点に引き寄せられて手に入れたのはstandardでした(^^;

なお、このPROFESSINAL GEARシリーズには定番の黒金の仏壇カラーの他に黒銀のシルバータイプも展開されています。
ん~ン♪・・・シルバーもいいですが、私はこの万年筆にはゴールドが21KのNib,ペン先に合うと思います!

さて、それでは手に入れたPROFESSINAL GEAR<standard>の数々の魅力を紹介していきたいと思います。

先ず、【デザイン】です。
1)絶妙なサイズ感

万年筆の王道デザインといえばバランス型といわれる頭とお尻が丸い形ですが、このPROFESSINAL GEARはその丸みをそぎ落としたベスト型となっています。
そのため、長さが短めになっていますがが、短すぎて持ちにくいといったことはありませんし、キャップを付けずに書くことも違和感なくできます。
また胴軸は約13mmと程よい太さがあるのでグリップ性はとても良いです。
この何とも言えないサイズ感は他の万年筆よりはるかに心地よく感じています♪

2)高級感のある装飾

艶のあるアクリル樹脂に金色でボリュームのあるキャップリングやクリップ、尻軸にも若干太めのリングが装飾がされており万年筆全体に華やかさを醸し出しています。
また、天冠部分を見てみると・・・
セーラー万年筆のシンボルマークである錨マークが輝いています。
天冠部分にこのような装飾が施されていると、こだわりのある万年筆という感じがして非常に高級感があり所有欲を駆り立ててくれますね(^.^)

なお、キャップリングを見てみると・・・
周囲にぐるりと「1911 SAILOR JAPAN FOUNDED」と商品名ではなく、1911年にセーラー万年筆の設立されたことを刻印してあり、造り続けてきた歴史にこだわりを感じますね(^.^)

次に【重量・重心】です。

1)程よい重量感

このペン、見た目は小さく軽そうにみえるのえすが、持ってみると程よい重量感を感じる意外性があります。
PILOTやPLATINUMの同類の万年筆よりかなり重い!というレベルではありませんが、明らかにSAILORの万年筆はちょい重めという印象が付いています。
重量は22gです。
ちなみに、キャップを外した重さは13gと軽量で、重心はペン先寄りになるのでペン先側に重さを感じます。
長さ的にも短すぎないこともあり、このペン先重心も相まって力を入れなくても紙の上でペン先が流れるように動いてくれる感覚を感じることが出来ます。
もっとも、筆圧が強めの私はついつい力が入るので、この恩恵は余り受けないのですが、非常に手の負担が少なくて楽に筆記することができるタイプではないかと思いますね。

2)キャップポストしてもナイスなバランス

キャップポストすると重心が大きく変わり、書き心地が変わる万年筆がよくありますが、このペンはキャップポストしてもほぼ重心が中央寄りになるだけで後ろ側へ倒れるような重さは感じません。
この結果、書き方に大きな変化が起こりにくくキャップをしてもしなくてもどちらでも使いやすいバランスの良いペンと言えます。

次に【Nib,ペン先】についてです。
美しいNib,ペン先です♪
キャップを外した時、このバイカラーのNib,ペン先に目を惹かれます(^.^)
修飾刻印も美しく、そこにセーラー万年筆の創業年である「1911」とシンボルマークである「錨マーク」が大きく刻印され、その下に「21K」「875」「Sailor」と刻印されています。
また根本の横に「H-F」と刻印されていますが、これはNib,ペン先の文字太さを表し、このペンは<F>であること示しています。

さて、このNib,ペン先の魅力を整理すると・・・

1)21金Nib,ペン先

やはり、最大の魅力と言えば21金ペン先ではないでしょうか。
これまで紹介してきた金ペンは14Kか18Kです・・・21Kってどんな感じ?という思いが出てくるのは必然ですよね(^.^)
一般的には金含有量が増えると柔らかくなる、と言われます。
確かに素材自身の柔らかさが増すのは間違いないでしょうが、Nib,ペン先の柔らかさというのは素材だけによるものではありません。
Nib,ペン先そのものの形状や厚さ等々が大きく影響するものです。
さて、この21Kはその書き味や書き心地はどうでしょうか?・・・

2)美しいバイカラー

3)文字太さは細め

もともと太目の文字が好みなので<M>狙いなのですが、店頭の試し書きで太く感じたので<F>を購入しました。
が、実際に使ってみるとかなり細いのです!
他の国産万年筆に比べても明らかに細いのです・・・
どうも試し書きの時の紙とインクに惑わされてしまったようです(^^;ゞ
このPROFESSINAL GEARの後、もう一本PROFIT21を購入しているのですが、この結果を参考にして<M>にしています。
その<M>でもやはり他の国産万年筆に比べて細いです。
どうもSAILORの万年筆は線が細めになるので、手帳のように細かい字や小さな字を書いたりするのでも<M>でも十分対応できるのではないかと思います。

4)渋めのインクフロー

インクフローについては渋めで、潤沢にインクが出るときのようなヌラヌラ感はありません。
これが上記の文字太さが細くなる原因の一つかもしれません。

最後に【書き味・書き心地】についてです。

先のNib,ペン先の方で既に上げていますが、21Kは柔らかいと一般的に言われるほど私はこの万年筆の柔らかさを強く感じてはいません。
確かに鉄ペンなどに比べるとはるかにしなりを感じはしますが、書き辛いほどの柔らかさとは思いませんね。
むしろ、筆記した時の感覚、筆記音がサラサラというかサリサリと心地よい感じがとても良い印象となっています。
インクフローが渋めで線も細めですが、カリカリ感は全くなく横、縦、斜め、どの方向に書いても引っ掛かりもなくスムーズに筆記することが出来ます。
ちょっと不思議な感覚ですが、書いていると気持ちが良くなってきますね(^.^)

以上、少しお値段が高くはなりますが、めちゃ満足する万年筆でした♪
セーラー万年筆、なかなか面白いです。
お勧めです(^_-)

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