ダイソー100均万年筆について その3 ― 2022年01月19日 19:57
万年筆の歴史をたどると古代エジプトまで遡るそうです。
が、現在の万年筆の基本となる毛細管現象を応用したペン芯は、1883年にアメリカ合衆国の保険外交員ルイス・エドソン・ウォーターマンが、調書にインクの染みを作ってしまい、契約を取り逃がしたことをきっかけとして発明した…というのが有名な話です(ウォーターマンの起源なんですね)。
現在も万年筆はこの毛細管現象を利用してペン芯によってインクがニブに送り込まれ、ニブの割れ目(切り割)を通ってペンポイントから紙へと移される仕組みになっています
この万年筆の構造と仕組みを分かりやすく図解したものが中屋万年筆の「中屋百科事典・中屋万年筆 (nakaya.org)」に載っていましたので、興味のある方は見てみてください。
さて、話を今回取り上げたダイソー100均万年筆に戻します。
100円という格安万年筆といえど上記構造や仕組みに沿ったものでちゃんとした“正当な”万年筆のようです。
が、「HAUSER」に一つ大きな違いがあることにインクカートリッジを刺し込む時、気づきました。
それは…先に挙げた中屋万年筆辞典に載っている下記の図で説明すると・・・
注目はカートリッジからペン芯にインクを送る部分、図でいうとカートリッジ内に差し込まれた黒い棒状の部分です。
これがどうも「HAUSER」はフェルトのようなのです。
首軸のカートリッジの差込口を拡大すると・・・
差込口の真ん中に見える白いもの…これカートリッジの中に差し込まれる部分なのですが、明らかにフェルトなんです。
他の100均万年筆はもちろん、私が持っている万年筆は形状は様々ですがこの部分は中空のパイプ構造となっています。
つまり通常の万年筆はカートリッジやコンバーター内のインクはこのパイプを通りてペン芯に供給されているのですが、この「HAUSER」はフェルトペンのように細い棒状のフェルトを浸透してペン芯に送っているのです。
しかも!
気になってニブを取り外してみると、なんとニブの真下までフェルトがあります!
ペン芯の中まで分解していないので定かではありませんが、インクの流れから言うとたぶんカートリッジ差込口からペン芯の先、ニブ切り割直下までこのフェルトが通じていると思われます。
通常の万年筆は細い溝を毛細管現象でペン先までインクが浸透していくのですが、この「HAUSER」は細いフェルトの毛細管現象でペン先までインクを送っていることが分かりました。
この構造ってフェルトペンと同じなんですよね…そのままフェルトペン先であればフェルトペン、スチールニブで包みこんでニブのペン先で書く…と、このHAUSERかな?(^^;
さて、ペン芯のインクを送る部分がフェルトだと判明した「HAUSER」、ちょっと使い勝手を考え直さなくてはいけません。
フェルトに沁み込んだインクって水洗だけでは除去できないですよね…
つまり、インク替えができない(たぶん)・・・これって万年筆の大きな楽しみ方の一つが無いということになります!
これは致命的問題だぁ!
とついつい思いがちですが、そこは100均…(^^;
最初にこのインク!って自分の好みを決めちゃえばOKだし、ましてやインクを決める事由があるじゃないですか♪
必要な本数をそろえてもローコストで♪ってなことですしね(^.^)
それより書き味や書き心地が使えるかどうかの方が重要です!
では、その書き味や書き心地はどうでしょうか?
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