“終のすみか”について考える ドイツの家考−2a2022年08月26日 06:59

さて、すっかり慣れてきて快適に過ごしていたドランスドルフの住処でしたが、ほぼ1年でボン旧市街の近くに引っ越すことになりました。

そもそもドイツにはあるプロジェクトのために1年限定で赴任していたので、ドランスドルフの住処は1年契約にしていたのです。
が、ほぼプロジェクトも終わりに近づいた頃、思いもかけず本社から現地赴任者との交代を打診されました…
既に60歳を超えている身ですが、ドイツの事業にかなり深くかかわってきたこともあり、最後のご奉公と思い引き受けることにしました。
あと数年!と決めて、快適なドランスドルフの住処の契約延長を進めようとしていたところ、交代する人から「私のアパートに移り住んでほしい」と要請がありました。
そのアパートは何度も行っているので、環境は最高のところだと分かっていましたが、住み慣れたところは離れたくないという思いが強かったものの、本社の担当役員からもそこに住むようにとの指示も来たので了解しました。
というのも、仕事上の対応を考えると動きやすい市内中心部に住む方が良いということです。

その新しいアパートの場所は、ボン旧市街の中心にある旧ケルン選帝侯宮殿(現ボン大学本部)からポッペルスドルファー宮殿まで約500mに渡って繋がる緑地帯、ポッペルスドルファーアレー沿いにありました。
ボン中央駅まで約600mほどで、旧市街は完全に徒歩圏内、どうみても郊外のドランスドルフより便利です。
ライン川まで1㎞余り、目の前が緑豊かな公園のような通りなので、散歩にもベストポジションですし、もちろん仕事上でも臨機応変に動きやすいところでした。

その家の外観は…
4階建ての白亜の館です。
この辺りは旧ケルン選帝侯宮殿からポッペルスドルファー宮殿に至る地域ということもあり、昔から富裕層の住まいがあったところです。
この建物も見た目は新しく見えますが、100年を優に超える古い館で、ボン市の歴史的建造物登録番号が付いている建物でした。
1,2階にはオーナー家族がお住まいで、3,4階がアパート4区画となっています。
築100年越えとはいえ、しっかり現代生活用にリノベーションされており、その状態は追々紹介したいと思います。

さて、アパートへの出入りは中央のオーナー用玄関出と異なり、建物横にある専用出入口からです。
奥に入ると建物横にアパート住人用の専用扉があります。
木製の分厚いドアで、ガラスにも模様が入ってちょとお洒落な出入り口です。
この出入口の左にはインターホンが付いています。
このインターフォンにはカメラ機能はなく、ブザーとマイク・スピーカー機能のみのシンプルなものです。
これ、3階に住む住人にとってはとても便利なもので、部屋からリモートで開錠できるので大変助かりました。
なお、これを見ると部屋の数だけのボタンが4つ「Yellow」「Green」「Red」「Blue」と書いてあるだけです。
この“色”は部屋の名前で、そこに住んでいる人の名前は一切書かれていません。
ドイツでは個人情報保護が日本では想像できないくらい厳しく、表札などめったに出ていないのが普通です。
ですから、仮に宅急便など頼む時には「Red」などと、住所の後に書いておくと配達の人はここにきて「Red」のボタンを押してくれるということになります。
仮に部屋を明記していなかった場合・・・オーナーさん宅に届き、アパート住人玄関の中に置いてくれてました。
郵便物は全てオーナーさんの郵便受けに入り、同様に玄関に置いてくれてましたね。
なお、住人間では顔があった時は当然挨拶しますが(ドイツ人は挨拶をしっかりします)、場合によっては「Red」さんなどと部屋の名前で言うこともしばしばでした(^.^)

さて、玄関のカギは電子錠で、自宅部屋に入る時の鍵と共有でした。
日本ではあまり見かけないタイプで、認識すると挿入口周囲がピカピカと点滅し、ひねると開場するタイプです。
どうも認識暗号が簡単に変えられるようで、オーナーが定期的に認識暗号を変えてくれ、鍵の交換をしに来てくれてました。
もっとも、このような電子錠は接触の具合や電気的障害で時々トラブルことがあり、一度深夜に帰った時に鍵が認識されず、オーナーも寝ていたことから困ったことがありました。
その時は偶然にスペアキーがカバンの中に入っていたのでなんとか入ることができましたが、それ以降必ずスペアキーを持ち歩くことにしました(^^;

さて、それでは中に入りましょう!

つづく

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