“終のすみか”について考える ドイツの家考−2c2022年08月28日 06:11

ドアを開けて部屋に入りました…
いきなりキッチン&ダイニングです!
コロナ禍で在宅勤務が続き自炊生活を余儀なくされていたので生活感ばっちり出てますが、ご容赦を(^^ゞ

こちらのアパートもフル装備で食器類、調理器具などすべてそろっています。
左奥のドアの向こうはリビングになっています。
そのドアもとにある小さな白いボックスのようなものは前任者が残していってくれた冷凍庫で、冷凍食品の保管や作り置きの食材の冷凍に大活躍してくれました(^.^)
キッチン下には冷蔵庫、電気オーブンレンジ、食洗器も組み込まれています。
ご覧のように、こちらもシンクが最低限の大きさしかなく、やはり洗い物は全て食洗器を使うことが前提となっていますね。

シンク側から見たダイニング部分です。
部屋の入り口横にクローゼットがあり、ここでは日常着る洋服を管理していました。
また、下の引き出しには保存系の和食食材(お米、缶詰、ラーメン、うどん、乾物等)を整理して入れてました(^_-)

丸テーブルは食卓で使っていました。

窓は木製枠の二重ガラスで内倒し・横開きの「ドレーキップ」窓です。
エアコンは当然ながらありません
暖房は全室電気床・壁暖房で全くスキがありません。

部屋の大きさとしては16~18畳ぐらいはあったかと思います。

ところで、前のドランスドルフの家では洗濯機と乾燥機が専用でキッチンについていましたが、こちらでは他の住人との共同使用ということで部屋の外にありました。
その場所は部屋から出た階段室半階下の小部屋です。
部屋の玄関扉の前、階段下の両サイドに扉が見えますが、左側が洗濯・乾燥室で、右側が掃除用具や共有備品置場になっています。
洗濯・乾燥室には…
最新式のSIEMENS(ジーメンス)の洗濯機と乾燥機一式が設置されていました。
4人の住人で一式を共有となると土日などの休日にかなりの頻度でバッティングするかと危惧しましたが、皆さんの洗濯日スケジュールがずれているらしく私は毎週土曜日午前のルーティンがほぼ支障なくできてました。
もっとも、ドイツの洗濯は日本では想像つかないくらい時間がかかり、スピードモードでも洗濯・乾燥に3時間余りかかるので他の住人とバッティングすると予定が大幅に狂いました。
ノーマルモードでやると更に1時間ほど余計にかかるのですが、その分衣類の痛みも早いように感じます。
以前に「ドイツの食洗器の性能は日本より良い!」と言いましたが、洗濯機の場合は日本の方が衣類にやさしくて時間が短いと思います(^_-)
さて、前のドランスドルフの家ではキッチンに自分専用の洗濯機・乾燥機があったと言いましたが、冬の場合はOKですが、夏の場合、乾燥機の湿気と熱が室内に出て大変でした。
その点、ここは洗濯・乾燥室が個別にあり、かつ「ドレーキップ」窓が内倒しモードでいつも開いているので快適でした。

さて、話を戻して、キッチン・ダイニングの隣のリビングに入ります。
入ってすぐのポイントから眺めたリビングです。

奥に簡易ベットになるソファーとテーブル、そして羽毛布団が中に入ったスツールがセットで置かれてます。
ここではよく会社の同僚たちと飲みました(^_-)
そのままお泊りになるメンバーもいたのですが、布団を出してかけるだけ…で便利でした(^^;
(だたし、コロナ禍になってから、家族以外の複数人数での飲食が禁止となり、アパートに人を呼ぶことができなくなりました…)

さて、大型のTVはケーブルテレビでつながっており、東京オリンピックはこの部屋で大いに楽しみました(^.^)
後ろにあるのがモデムとネットのWi-Fiです。
TVはコロナ禍での在宅勤務の時、Web会議のモニターとしても大活躍してくれました。

先の写真の対角ポイントから眺めたリビングです。
この部屋では小さなテーブルを机代わりにしてました。
コロナ禍での在宅勤務で大活躍です。
一杯飲みながらの食事もここでネットニュース見ながら楽しんでいましたしね(^^ゞ

左のチェストの上に小さな扇風機が見えるかと思いますが、あまりの暑さで扇風機を一台買ってきてここから首振りさせていました。
ちなみに、この最初夏の酷暑の時、店頭から扇風機が消えて手に入らないことがあったので、翌年の夏、早めに買ってきておいて大正解でした。
ただ、扇風機は日本のような多機能なものはなく、弱・中・強の単純三段階の懐かしいものしかなく、それもほとんどが中国製でした…しかも、うるさいのです(^^;

さて、ここで窓付近に注目してください。
先にも書いたように、窓は木枠の二重ガラス「ドレーキップ」窓です。
アルミ枠ではなく木枠なので熱伝導がぐっと小さく、ガラスはガス封入二重ガラスですから、めちゃ断熱性能の良い窓となっています。
そして窓が付いている壁の厚さ…先に紹介した家と同様、ゆうに30㎝以上はあるでしょう。

この家は築100年は越えていると言いましたが、外観上石の家に見えますが実は木造です。
この歴史観を保ちつつ、皮一枚内を現代の高断熱住宅にリノベーションしているのです。
ヨーロッパは「家は代々受け継ぐもの」という思想が根強く、家は100年、200年と続けて使われています
故に、古い家をその時代に合ったリフォームやリノベーションで使い続けることで、あの美しい街並みが出来上がっているのですね。
日本で「100年住宅」などと言った言葉が出始めてはいますが、日本の住宅平均寿命は30年余りと言われているそうです…この違いは考えさせられますね

あっ、そうそう、写真では見えませんが、ここに入居する前にオーナーから何かリクエストはないかという問いに対して1点だけリクエストしたものがあります。
それは…

実はこの部屋、窓のカーテンがありません。
窓シャッターもありません。
確かに木枠の二重ガラス窓ですが、夏場の陽の光によって室内温度が上がる懸念がありました。
事実、前任者は夏が暑いと言っていました。
そこで、まどにブラインドを付けてほしいとリクエストしたのです。
見えにくいかもしれませんが、この部屋だけそれぞれの窓毎にロールブラインドを付けてもらい、
夏は
 ①朝、気温が低い時に窓を全開して冷気を家の中に取り込む
 ②朝、陽が家の中に入り込み、気温が上がり始めたら窓を全て綴じ、可能な限りカーテンや窓シャッターを閉めて太陽光が家の中に入らないようにする。
 ③夜、外の気温が過ごしやすい温度に下がったら窓を開ける
という「あなぐま生活」ルール
を守っていました(^_-)
結果、結構ロールブラインドの効果があったと思っています。

さて、お気づきの方もおられると思いますが、このリビングには階段があります。
そう、このアパートはメゾネット式となっており、3階がLDK、4階が寝室・バス・トイレとなっているのです。

それでは階段を登って4階へ…

つづく