“終のすみか”について考える 霧が晴れつつ… ― 2022年10月28日 06:38
さて…昨年末から動き始めていた“終のすみか”探し…
妻との意見の違いから紆余曲折、五里霧中の迷路に迷い込んでいましたが、ここにきて霧の先にゴール(方向)が見えてきました。
そもそも、いったん決めたマンション住まいをキャンセルし“終のすみか”探しの迷路の突入した原因は次世代への引継ぎ問題、新聞・雑誌、ネット上でも話題になっている俗に言う「負動産問題」でした。
出所:週刊エコノミスト
私たちのような地方暮らしで、跡継ぎがいない(娘たちを遠くに嫁がせている)夫婦にとって、この「負動産問題」は大変深刻で対処し難い問題であることを痛切に感じていますし、現代社会の由々しき問題であると危惧しています。
さて、「負動産問題」とは何ぞやということはネット情報に譲るとして、私たち夫婦がリタイヤ人生を過ごす“終のすみか”としてたどり着きそうなゴール、方向は…
『負動産を増やさず、今住んでいる家をリノベーションして住み続ける』
でした。
どうもこの“終のすみか”探しの迷路のゴールは沢山あるようで、何度も迷路を抜け出してゴールに出たと思っても…なんか違う!?ともう一度迷路に戻り…そして別のゴールにたどり着く…でも…また…
といった具合にこれが正解というものが無いように見えました。
私たち夫婦は何とか『負動産を増やさず、今住んでいる家をリノベーションして住み続ける』という方向に進み始めましたが、同様な環境にある方々にこの方向を勧めるつもりはありません…人それぞれだと思うからです(^^;
では、私たち夫婦が迷い込んだ迷路の顛末を簡単に紹介しておきましょう…
つづく
“終のすみか”について考える マンション!?→迷路へ ― 2022年10月29日 06:32
では、“終のすみか”探しの迷路の顛末を順を追って紹介しておきます。
そもそも十数年前から私たち夫婦間ではリタイヤしたら「生活に便利な近くの都市部の“街中マンション”でゆったり過ごそう♪」ということで意見は一致しており、その場所の下見もしてきました。
そして今年の3月には新築分譲マンションを契約♪
ゴールにたどり着いた・・・と思いきや・・・そこは迷路の入り口に立っていたのです(^^;
妻のちょっとした不安から迷路に入り込んでしまいました・・・
妻の不安・・・
今の不動産(宅地、家、畑、山林…お墓等々…)を子供達に迷惑をかけないように自分たちの代でしまっていけるのか?
そういう意味で不動産(マンション)を増やしていいのか?
という漠然としたものでした。
が、これこそが難題「負動産問題」の迷路への入り口で、調べれば調べるほど楽観視していた私たち夫婦を底なし沼へと引き込んでいったのです。
正直、私は時間はかかるだろうが“不動産じまい”はできるもの、と思っていました・・・
ところが現実は地方の田舎の不動産は売買がなかなかできず、内輪の誰かが相続し持ち続けなければならない(税金を払い続け、管理責任を負い続けなければならない)・・・というのが今の現実なのです。
相続放棄という手段もありますが、全ての相続を失うというデメリットも・・・
その結果が・・・「負動産問題」として顕在化しているのです。
政府・国会もこの問題について手を打ちつつあり、来年度からいらない土地を国に返す『相続土地国庫帰属制度』
がスタートすることになっています。
が、現実的には制約事項が多くてどんな土地でも国が受け入れるというものではく、仮に受け入れOKでも相応のお金を付けて渡さないといけないことが分かってきました。
気になる方は上記「相続土地国庫帰属制度概要」にリンクが張ってあるので見てみて下さい。
また、『相続土地国庫帰属制度』でググると沢山の情報が出てきますヨ。
たぶんその実現性に疑問が沢山出てくるでしょう・・・(^_^;
高齢化・少子化・核家族化が進む地方の田舎の不動産は「負動産」化で身動きできなくなっているのが現実なんです。
事実、住んでいる地域はもちろん、地方の市街地でも空き家や売り地の看板が目に付き、しかも増えてきているのです。
少し古い情報ですが、年々空き家数、空き家率が増えているのが統計データにも表れています・・・
都道府県でこの傾向は違うかもしれませんが、全国平均で20%近くになっているようですね。
5軒に1軒の割合です・・・(O_O)
田舎になればなるほどその比率も高いようで、事実、我が家の地域では平均値より高くなっており、一人暮らしの老人が亡くなると確実に空き家か更地になっていっています(T_T)
そんな現実を知れば知るほど妻はこれ以上不動産を増やしたくないと頑なになっていくのでした。
ただ、私はこの「負動産問題」とマンションは切り分けて考え、流動性が高いマンションであれば負動産化しにくいと思ってはいました。
しかし、現実的には一旦生活圏から離れてしまった負動産の管理・処理は自分の高齢化とともに難しくなるだろうなぁ、と思っていました・・・(^_^;
そんなこんなで、妻と話し合いたどり着いたこの時点の結論は・・・
『不動産を増やさず今の土地に住み続け、子供達が仕舞いやすいようにしていこう』
ということです。
私としては生まれ育った環境ですし、体力的には衰えてきたとはいえまだまだと思ってはいますから、今の土地に住み続けるのには抵抗はありません。
が、流石に親から引き継いだ築60年を超える今の住まいでは環境的にかなり厳し過ぎます。
ましてや子供達が巣立ち、妻と二人暮らしするには機能的にも無駄が多く、かつ今後の老後生活には不便な家です。
そこで、妻とも相談し・・・
『機能的な家に建て替えてリタイヤ後を楽しもう!』
という方向に動き始めたのです・・・
つづく
“終のすみか”について考える 住みやすい家に建て替え・・・!? ― 2022年10月30日 07:39
さぁ『機能的な家に建て替えてリタイヤ後を楽しもう!』と“建て替え”=“新築”という方向で動き始めました。
今の家は築60年を超え、木と紙、そして畳と土壁からなる家で隙間だらけ、かつ電気も低容量でコンセントも少なく至るところでたこ足配線・・・という典型的な古い日本家屋です。
重厚な古民家ではありません(^_^;
夏は暑く、冬は寒い・・・しかも我が家は8人兄弟末っ子の親父が分家して一生懸命働いて造った家なので敷地が狭く、かつ生活様式の変化(電化、車社会等々)や家族が増えるとともに増築して敷地目一杯に建っている小さな庶民の家です。
二階建てで部屋数だけは多く、今風の表現をすると10LDK!
しかも家の中で一番面積をとっているのは仏間・床の間がある座敷・・・
一時期は最大8人家族で賑わしく生活していましたが、兄弟の独立、子供が巣立って両親も亡くなり妻と二人暮らし・・・
こうなってしまうとま〜ぁ広すぎて使い勝手が悪い典型的な家なのです。
ましてや冬には時に1m以上もの雪が積もる地域です・・・
さぁ!“新築”ともなると、全てリセット!
狭くとも『機能的な家』にするぞ♪
と調べて始めました。
もちろん、先に紹介したドイツでの生活を大いに参考にしてです(^_-)
家の新築は人生初めて、しかもドイツ生活で日本家屋との違いに愕然としていたので、正直日本家屋への不信感しかありませんでした。
ところが、調べてみると見劣りしていた日本家屋も大きな進化をしていることが分かってきました。
一つは1981年(昭和56年)の建築基準法改正による耐震基準の変更、その後の省エネ住宅化、IoT住宅化・・・
特に菅政権時にとりまとめられた「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」が今大きなうねりとして“省エネ住宅化”に拍車がかかってきていたのです。
☆省エネ対策 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)・・・
様々なハウスメーカーがこれらをキーワードとして様々な家を売り込んでいます。
妻といろいろな情報をもとに二つの大手ハウスメーカーと地元の工務店を選び、モデルハウス巡りや打合せを進めました。
①大手ハウスメーカーA社の和モダン木造住宅
②輸入ハウスメーカーB社の欧風木造住宅
③地元工務店C社の木造注文住宅
モデルハウスや打合せを進める過程で、二人で住みやすい家ということで今流行の“平屋”住宅がターゲットとなってきました。
①は流石に全国展開している大手だけあってなかなか使い勝手が良い提案です。
が、オール電化など結構エネルギーを消費するので、太陽光発電など創・蓄エネ設備を導入してZEH化をしなければなりません。
②の特徴は流石欧風の家づくりがベースなので、木をベースにした徹底的な高気密・高断熱化を図っており、機械に頼った省エネという感じではないナチュラル感が好印象です(まさにドイツ生活で経験したような家)。
③は地元だけあってコスト的にも比較的低めですが、やはり省エネ化が図られた最近の動きを感じさせる提案。
いずれも今の住まいとは住みやすさで雲泥の差を感じ、どちらで話を進めるかに迷うところでしたが、妻が機械に頼らないナチュラル感(太陽光発電なし、木製窓・ドア、床暖無し、エアコン1台対応等々)の②を気に入ったのです。
そこで大まかな間取り設計・・・そして見積もりです・・・
が!ここで二つの難題が浮かび上がってきました!
一つは・・・新耐震基準による土地改良の必要性
二つは・・・平屋化による建ぺい率による床面積の不足
です!
この中で一番大きな問題となったのは新耐震基準による土地の改良でした。
実は我が家の土地は道路面から約80cmほど低く、今の家は俗に言う“高基礎”という高い基礎の上に建っていました。
ハウスメーカーに状況を確認してもらったところ、新耐震基準を完全に満たすことや工事をしやすくするためにも“土地の嵩上げ”と地盤改良が必要だと言われました。
つまり道路と同じ高さまで土砂を入れて整地し、地盤を固めてから家の基礎を作るというものです。
その見積もりを出してもらったら・・・驚きです!
土地の改良費用がそこそこ高額なのです・・・
金額的にはまったく不可能なレベルではないのですが、問題視したのは「もともと負動産化している(市場価値がないに等しい)であろう土地に今から多額の金をかける意味があるのか?」です。
お金をかけることによって負動産化を防げるなら良いのですが・・・実態は期待できない!のです(T_T)
ドイツの家を見習って、土地の高低差を使用して半地下を造ろうと思ったのですが・・・これまた更なる投資と将来の不安は変わりません・・・(^_^;
もう一つの建ぺい率による床面積の不足ですが、娘達の家族が来た場合の寝る場所や家財保管場所、和室の確保など考えると一部二階化しないと収まらないことが分かってきました。
こうなると・・・正直、将来の“家仕舞い”を考えると、新築はムダかと思うようになってきたのです(^_^;
そんなこんなで・・・既存住居のリフォームもしくはリノベーションの方向はどうかという考えが出てきたのです!
つづく
最近のコメント